第8回 北海道撮影ポイントランキング年間グランプリ展

<開催>2025年10月25日(土)・26日(日)/札幌駅前通地下歩行空間ドオリHIROBA
<主催>北海道撮影ポイントランキング製作委員会
<特別後援>株式会社マテック・マテックグループ

<審査員>
菅 原 一 剛 (写真家)
下休場 千秋 (NPO法人 ウォークラボ札幌 代表理事/元北海道大学観光学高等研究センター教授)
織 作 峰 子 (写真家)
福 島  晃 (デジタルカメラマガジン 編集部 編集長)

開催にあたって

2018(平成30)年以来、今回で8回目となります「北海道撮影ポイントランキング年間グランプリ展」は、「北海道の自然の美しさや北海道の動物や植物の魅力を、写真を通して広く内外に発信することで、素晴らしい北海道を発見すること」を目的として開催されてきました。Web上に投稿される写真の応募総数は年々増加し、ユーザー数は1,600名を数えています。
今回は昨年8月29日から今年8月17日までに投稿された4,020点の作品のなかから、一次審査で選出された155点が展示されています。また、厳正な最終審査により、グランプリ1点、準グランプリ1点、優秀賞5点、入賞10点の受賞作品が選ばれました。素晴らしい作品を投稿していただいた数多くの方々に感謝申し上げます。
展示作品のいずれもが、北海道の美しい風景の魅力を存分に表現しています。さらに、一瞬を切り取った写真でありながら、そこから豊かな物語を読み解くことができる味わい深い作品も多くあります。投稿された皆様の、作品制作に対する強い情熱と北海道の風土を愛する気持ちがひしひしと伝わってきます。今後とも、「北海道撮影ポイントランキング」が写真を通した交流の場になることを願っております。
最後になりましたが、本写真展を開催するに際し、ご後援をいただきました北海道、札幌市、さらに特別ご後援の株式会社マテック・マテックグループをはじめとする全ての関係者の皆様に厚くお礼を申し上げます。

下休場 千秋

受賞作品

グランプリ 賞金300,000円

降雪を喜ぶ?シマエナガ

<作者>O_mura <撮影地>非公開

すっかり北海道の人気者になったシマエナガ。そのおかげで今ではたくさんの彼らの愛くるしい表情を目にします。しかし、その中にあって受賞作品は秀逸でした。雪を見上げる笑顔のシマエナガ、こんな写真は見たことがありません。その笑顔を包み込みように降り注ぐ、まるで光の化身のような粉雪たち。ひたすらにかわいらしいのひと言しかありませんが、とても素敵な写真です。グランプリの受賞、おめでとうございます。
(審査委員長:菅原一剛)

準グランプリ 賞金100,000円

4つたたずむ

<作者>164_moco <撮影地>支笏湖

支笏湖の夜明けのシーンかと思いますが、雪が被った
3つの岩と平たい岩が、静かな時間の中に佇んでいます。奥の岩から生えた木が作品の中の重要なポイントになっています。木の生命力とともに、葉を落とした木が春になったら新芽が出て、どんな姿になるのかを想像すると、また違う雰囲気を楽しめるように思います。 長時間露光により湖面のブレが美しく流れ、日が 昇る時 間 帯ならではのマジックアワーの風景が神秘的です。
(写真家:織作峰子)

優秀賞 賞金30,000円

月照らす雪山

<作者>兵長 <撮影地>上富良野町

審査会で頭上に輝く星々を淡いピンク色のベールが包んでいることが話題になりました。私の中である予想が頭に浮かびました。撮影日は2024年11月9日の22:00。北海道でも見られると話題になった低緯度オーロラが発生した日です。作者はこの日に富良野から月夜に照らされた雪山の頭上に輝く星々。構図の美しさも選考の決め手となりました
(審査員:福島 晃)

夜明け色

<作者>わたなべゆか <撮影地>豊頃町ジュエリーアイス

十勝川河口近く大津海岸に打ち上げられたジュエリーアイス。厳冬期に十勝川が結氷し太平洋に流出した川氷が波に砕かれて漂い砂浜に打ち上げられ、その後消えてゆく運命にあります。夜明け前の砂浜に静かな潮騒に包まれて存在する、朝焼けがかすかに反射した一片の氷塊を主題とし、 移ろいゆくこの世のはかなさも感じさせます。
(審査員:下休場千秋)

クマゲラのカップル

<作者>6D2 <撮影地>非公開

美しい緑色に包まれた素敵な構図が目を引きます。クマゲラはオスが額から後頭部まで赤色ですが、メスは後頭部のみちょこんと赤色になります。つまり左がオス、右がメスということが分かります。写真は時間を閉じ込めた静止画ですが、この作品からは「ダラララララララ!」というドラミングの音が聞こえてきます。写真が動き出すことは優れた写真の証しの1つです。
(審査員:福島 晃)

さくら

<作者>まこと <撮影地>非公開

雪景色が主題の本作品ですが、そのタイトルは「さくら」です。作者は薄紅色の空から降り注ぐ雪を桜吹雪とイメージして表現したのかもしれません。雪原にたつ独立樹は、毎年、春になると里に降りてくる稲の神様の依り代である桜の木に見立てることもできそうです。古代神話の世界が連想されるような幻想的な雪景色を表現した素晴らしい作品です。
(審査員:下休場千秋)

夕日を背に

<作者>k.katsuya <撮影地>非公開

猛スピードで「飛んでいる」と空中で「止まっている 」の真逆な意味合いの言葉が同時に感じる作品です。コミミズクの顔にピントがしっかりと合ったことで、繊細な羽根のディテールや、 黄色い眼球の強さが際立ちました。背景処理などのテクニックの素晴らしさと、

光の扱いが上手く、 逆光で捉えることで羽根がフワフワに輝いていることも絶妙です。
(審査員:織作峰子)

入賞 賞金10,000円