AMBASSADOR/たか
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アンバサバーおすすめの撮影ポイント

春の夜空 | 撮影日: 2022.02.06

変化する森羅万象の軌跡をスローシャッターで撮る


千歳市・苫小牧市/支笏湖

 星空を本格的に撮影するようになったのは5年前。友人から月明かりの支笏湖の夜景を撮りに行かないか、と誘われたことがきっかけです。撮影は当然、スローシャッターになります。それまで撮っていたのは人物を主体にした普通のスナップ写真。月光だけで景色が撮れるほど遅いシャッタースピードは初体験だったので、友人に教わりながら湖面や桟橋などを撮りました。
 写真は美しく仕上がり、このような撮影方法があるのかと驚き、魅せられました。これをきっかけに、スローシャッターの効果を自分なりに様々に試しながら、一人で夜間撮影を行うようになりました。スローシャッターの魅力は、時の流れの中で変化する森羅万象の軌跡を、画面や印画紙に定着させることだと思います。そこに立ち現れる幻想的な世界から離れることが困難になった私は、夜間撮影の時に頭上でいつも輝く星の軌跡を、なんとしても撮りたくなりました。
 札幌市内で光害が最も少ない場所の一つ、と勝手に想定した豊羽鉱山まで車を走らせ、かつては登山者などで賑わうこともあった無意根山荘跡の開けた場所に三脚を立てました。初心者としては想像以上に美しいスタートレイルを撮ることができたと思います。次の撮影テーマは点状に静止した星が広がる夜空。そして天の川の撮影にたどり着き、一人で支笏湖に通うようになりました。
 今も四季を通して支笏湖に足を運んでいます。札幌から車で40分ほどの支笏湖は、いつでも気軽に行けます。光害が少なく、周辺には滝や苔むした林道などがあり、星空に限らず様々な撮影が楽しめる魅力的な撮影ポイントです。その中でも私は、冬季間を除き駐車スペースもあるなど利用しやすいポロピナイでよく撮影します。対岸には約4万年前に噴火したと言われる風不死岳がどっしり腰を据えていて、その山頂から天の川が噴煙のように立ち昇る写真など、時間帯や角度を工夫しながら、美しく荘厳な天の川を撮り続けています。

曲折 | 撮影日: 2022.02.06

オリオンと木の根 | 撮影日: 2021.11.13

星を映す | 撮影日: 2021.11.13

 もちろん天の川のほかにも、様々な表情の支笏湖を撮っています。特に薄曇りの支笏湖を好んで撮影しています。薄い雲はソフトフィルターのように光を滲ませるので、幻想的な雰囲気の支笏湖を撮ることができます。空の低い位置に月が出ている時の湖面は、反射光がくっきりとした流線型を描くので、その輝きに岩、樹木、切り株などを絡ませて撮ると、幻想感がいっそう強まります。
 その一枚が「アボガド」の写真。昇り始めたばかりの朧月に照らされて輝く湖面に、岸辺の岩が身を沈めて月光浴しているように見える写真です。反射光の形、岩の位置のバランスなどが、アボガドの断面によく似ていることから、この名前で呼ばれています。
 ポロピナイには数えきれないほど通い、どこに何が位置しているのか、季節や時間帯によって移動する月はどの角度から支笏湖を照らし、湖面はどのように反射するのかなど、細かなデータの蓄積によって撮ることのできた写真だと思っています。これからも四季折々、星空の写真を主なテーマにして撮影しながら、まだ誰も見たことのない風景を発見して、驚きと感動を感じてもらえる写真を撮りたいと思います。

月明かりを浴びて | 撮影日: 2022.01.08

暗雲 | 撮影日: 2022.05.08

ふふふ度を工夫しな度を工夫しな

AMBASSADOR Profile

handle name:たか


はじめて見た支笏湖の夜景に感動し、風景写真を撮りはじめる。湖や川、海など水のあるロケーションが好きで、スローシャッターを使い時間の流れを感じさせる写真を撮っている。

<賞歴>北海道撮影ポイントランキング年間グランプリ展2020 グランプリ 他
<使用カメラ>Canon EOS 5D mark3