第7回 北海道撮影ポイントランキング年間グランプリ展

<開催>2024年10月26日(土)・27日(日)/札幌駅前通地下歩行空間ドオリHIROBA
<主催>北海道撮影ポイントランキング製作委員会 
<後援>北海道、札幌市 
<特別後援>株式会社マテック・マテックグループ

<審査員>
菅 原 一 剛 (写真家)
下休場 千秋 (NPO法人 ウォークラボ札幌 代表理事/元北海道大学観光学高等研究センター教授)
織 作 峰 子 (写真家)
福 島  晃 (デジタルカメラマガジン 編集部 編集長)

開催にあたって

北海道撮影ポイントランキング年間グランプリ展は「北海道の自然の美しさや北海道の動物や植物の魅力を、写真を通して広く内外に発信することで、素晴らしい北海道を発見すること」を目的として、2018(平成30)年に第1回を開催して以来、今年で7回目の開催となります。Web上に投稿される写真の応募総数は年々増加し、新規投稿者も増え会員数も約2,000名を数えます。
今回は昨年8月28日から今年8月18日までに投稿された4,212点の作品のなかから、一次審査で選出された159点が展示されています。また、厳正な最終審査により、グランプリ1点、準グランプリ1点、優秀賞5点、入賞10点の受賞作品が選ばれました。プロ・アマを問わず素晴らしい作品を投稿していただいた数多くの方々に感謝申し上げます。
これら作品を鑑賞されることで、写真でしか表現できない北海道の新たな魅力を発見されることでしょう。今後、さらに多くの方々に北海道の自然や風景の美しさを表現する多彩な写真作品を投稿していただくことにより、「北海道撮影ポイントランキング」が新鮮な感動を与える場として一層、皆様に活用されることを願っております。
最後になりましたが、本写真展を開催するに際し、ご後援をいただきました北海道、札幌市、さらに特別後援の株式会社マテック・マテックグループをはじめとする全ての関係者の皆様に厚くお礼を申し上げます。

下休場 千秋

受賞作品

グランプリ 賞金300,000円

霧氷飛行

<作者>TK <撮影地>非公開

まるで空想の世界を飛んでいるかのごとくに青空の中を飛翔するエゾモモンガ。そしてその美しい決定的瞬間を捉えたこの写真は、不思議と切り取られたはずの境界線を消していきます。それはまさに作者と被写体と世界がひとつになった瞬間に生まれた、写真ならではのあたたかい世界そのもの。グランプリの受賞、おめでとうございます。
(審査委員長:菅原一剛)

準グランプリ 賞金100,000円

overture

<作者>yusaku matsumoto <撮影地>稚内市

夜空に輝く美しい星々。その中をいくつもの流星が放射状に線を描いています。いくつあるのか数えることを諦めてしまうほどのおびただしい数。撮影日から推察するに「みずがめ座δ南流星群」だと思いますが、ほぼ同タイミングで「やぎ座α流星群」が見られるため、それらが競演した結果なのでしょう。北海道だからこそ見られる景色。このドラマチックな星空風景も紛れもなくその1つでしょう。撮影者がこの場所で味わった感動を少しだけ分けてもらった気分です。
(福島 晃)

優秀賞 賞金30,000円

水鏡並木

<作者>yamak <撮影地>夕張川

まるで絵画のようですが、よく見ると立ち枯れた樹木が水面上に姿を現していることから、この作品が水面に映し出された紅葉の森と秋の青空を撮影したリフレクション写真であることが分かります。夕張市にあるシューパロ湖のわずかに波紋がひろがる湖面をキャンバスに見立てて、絶妙な色彩のバランスと幻想的な雰囲気を見事に表現した作品です。
(下休場千秋)

朝霧の丹頂

<作者>わっか <撮影地>釧路湿原国立公園

ほのかに朝焼けが残る霧の中、一列になって飛翔する7羽のタンチョウと中央に立つ1本の立ち木を、シルエットで表現した印象深い作品です。この作品を見つめていると、釧路湿原における冬の厳しさと、そこで懸命に生きる丹頂の生命力をまざまざと実感させられます。作者の作品制作に取り組む妥協のない真摯な姿勢が、本作品を生み出したのでしょう。
(下休場千秋)

天使の微笑み

<作者>hirokirin <撮影地>非公開

とても可愛いエゾモモンガです。笑顔の動物写真を撮影するのチャンスはなかなか難しいものですが、キャッチ(光)の入ったキラキラした瞳、何かを話しかけているような口角の上がった口元、手招きしているような小さな手の表情など、すべてが愛らしいです。画面左に青空を入れたことで爽やかさも加わり、見るものを幸せに導いてくれるような作品です。
(織作峰子)

朝焼けのリフレクション

<作者>tora_san <撮影地>水沢ダム

美瑛にある農業用の小さなダムですが、とても丁寧にアプローチされていることが分かります。早朝、空気が澄んだタイミングに訪れることで、空には筆で描いたような雲がドラマチックに広がり、その様子は湖面にも優しい表情で映し出されています。遠方の山々の残雪もこの張り詰めた空気感を出すことに一役買っています。
(福島 晃)

春の夕暮れ

<作者>TaTTsuN <撮影地>非公開

広大な北海道ならではの作品です。遠くの山並みが朝霧とともに連立する美しさ。そして、真ん中左にある3本の桜の樹に光が当たる瞬間を狙っていたのでしょう。ピンクの色が美しく華やいでいます。写真とは光によって生かされ描かれる芸術です。撮影者はこの美しい景色を観るために、毎年訪れる春の季節を待ち侘びることでしょう。
(織作峰子)

入賞 賞金10,000円