第6回 北海道撮影ポイントランキング年間グランプリ展

<開催>2023年10月27日(土)・28日(日)/札幌駅前通地下歩行空間ドオリHIROBA
<主催>北海道撮影ポイントランキング製作委員会 
<後援>北海道、札幌市 
<特別後援>株式会社マテック・マテックグループ

<審査員>
菅 原 一 剛 (写真家)
下休場 千秋 (NPO法人 ウォークラボ札幌 代表理事/元北海道大学観光学高等研究センター教授)
織 作 峰 子 (写真家)
福 島  晃 (デジタルカメラマガジン 編集部 編集長)

開催にあたって

北海道撮影ポイントランキング年間グランプリ展は、今年で6回目の開催を迎えます。2018(平成30)年に第1回が開催されて以来、これまでプロ・アマを問わず数多くの方々からのご応募をいただきました。素晴らしい作品を投稿していただいた皆様に感謝申し上げます。
今回は昨年8月15日から今年8月27日までに投稿された3,564点のなかから、一次審査で選出された161点の作品が展示されました。さらに、展示作品の中から最終審査により、グランプリ1点、準グランプリ1点、優秀賞5点、入賞10点の作品が選ばれました。いずれも、北海道の多様な美しい風景の一瞬をとらえた力作です。
本展は「北海道の自然の美しさや北海道の動物や植物の魅力を写真を通して広く内外に発信することで、素晴らしい北海道を発見することを目的」としています。展示作品の制作者お一人おひとりは素晴らしい写真家であるとともに、撮影ポイントを含む地域の魅力についての情報を発信する地域のアンバサダーでもあります。北海道撮影ポイントランキング製作委員会では、すでに5名の方々に地域の魅力を伝えるアンバサダー役を担っていただいています。これからも写真撮影を通して一層、北海道の隠れた魅力を見つけ出していただきたく存じます。今後、より多くの方々が北海道各地の美しい風景を撮影し作品を発表することが、北海道の自然や環境を守ることにつながると信じています。
最後になりましたが、ご後援をいただきました北海道、札幌市、さらに特別ご後援の株式会社マテック・マテックグループをはじめとする全ての関係者の皆様に厚くお礼を申し上げます。

下休場 千秋

受賞作品

グランプリ 賞金300,000円

Ezo Red Fox

<作者>洞筒雄太 <撮影地>美瑛町

【選評】 まっ白な地吹雪の中で、静かに佇む一匹のキタキツネ。その眼差しの中には、自然界の強さのようなものも感じることができます。遠くには、そんな世界を十勝連峰の美瑛岳と思わしき姿が、うっすらと静かに桜色に染めながら見守っているかのよう。そしてそれらの異なる世界は、ほんの一瞬にも関わらず、そこには永遠の時間が刻まれているようにも感じることができました。そんな美しい写真。グランプリの受賞、おめでとうございます。(菅原 一剛)

準グランプリ 賞金100,000円

収穫

<作者>たか <撮影地>ファーム富田(上富良野町)

【選評】 大地を彩る上富良野の畑。紫、緑、黄、白、ピンク色のカラフルな植物たちが咲き並ぶ絨毯の中、丹精込めて手入れをする方々の姿がポイントになった作品です。ラベンダー色の作業服も白い花のラインにいたお陰でチャーミングに際立っています。俯瞰から撮影することで、大地に色の層を作り、画面全体に色彩美を感じる素敵な作品に仕上がりました。(織作 峰子)

優秀賞 賞金30,000円

蓮葉氷を翔る

<作者>mi_ <撮影地>舟着き広場(釧路市)

【選評】 釧路観光の風物詩となっている「 SL冬の湿原号」を、JR釧路駅からほど近い釧路川に架かる鉄橋近くの舟着き広場から撮影した作品です。快晴のもと、自然の厳しさを感じさせる極寒の釧路川を漂う蓮葉氷と、その上を飛ぶがごとく力強く疾走する文明の力を象徴する黒光りしたSLとの対比を見事に表現した力作です。(下休場 千秋)

煙る森

<作者>hayato <撮影地>鳥沼公園(富良野市)

【選評】 凍てつくような寒さの中、木々の枝は氷の花を咲かせたように白く輝いています。夜が明けて太陽が差し込むと大地や木々が優しく光に包まれて、温度がゆっくりと昇っていき、辺りに朝霧が立ち込める。厳しい中にも優しさに満ち溢れた優れた作品に感じました。自然が織り成す循環にこそ美があることを教えてくれます。(福島 晃)

黎明の月

<作者>a makoto <撮影地>支笏湖(千歳市)

【選評】 太陽が沈み夜の帳が下りるまでのわずかな時間に見ることができるブルーモーメント。淡いオレンジとピンクが混ざり合ったような色合いと、パステルカラーにも感じる空の青。右上には三日月が良い点景として添えられています。湖に反射したリフレクションにも月が映り込んでいる点も高評価のポイントになりました。(福島 晃)

オオコノハズクの兄弟

<作者>takeo <撮影地>非公開

【選評】 5羽の愛くるしいオオコノハズクの幼鳥の姿を、葉越しに望遠レンズでそっととらえた微笑ましい作品です。この作品をながめていると、絶滅が危惧される野鳥が生育するために必要となる動植物相の豊かな森を保全する重要性にあらためて気づかされます。美しい野生動物写真は環境保全への意識を高めるきっかけを与えてくれます。(下休場 千秋)

大迫力

<作者>しばっち <撮影地>非公開

【選評】 真っ黒な体色に鮮やかな赤色の頭頂部が特徴のクマゲラ。木を突いているシーンや木穴からちょこんと顔を出しているシーンは良く目にしますが、こうして真正面から飛ぶ写真はとても珍しいと思いました。少しおどけたような表情にも見えますし、凜々しい顔立ちにも見えるのが、この作品の魅力だと感じました。(福島 晃)

入賞 賞金10,000円